産後ケアについて
ママの身体、お疲れ様です。産後の身体に「正しいケア」が必要な理由
ご出産された皆様、本当におめでとうございます。そして、毎日の育児、本当にお疲れ様です。
妊娠・出産という大仕事は、女性の身体に、私たちが想像する以上の大きな変化をもたらします。 約10ヶ月かけて大きくなったお腹は、骨盤を前傾させ、腹筋（特に腹直筋）を引き伸ばし、腰や背中には大きな負担がかかり続けていました。 出産時には、骨盤の靭帯が緩み、骨盤の「底」にある筋肉群（骨盤底筋）も大きなダメージを受けます。
その満身創痍とも言える状態のまま、休む間もなく、授乳、抱っこ、おむつ替えといった「待ったなし」の育児が始まります。
「出産前の体型になかなか戻らない」 「腰や股関節、膝が痛むようになった」 「尿漏れやくしゃみでヒヤッとすることがある」
これらは、産後のママたちが抱える、非常に切実な悩みです。 そして、これらは「時間が経てば自然に治る」ものではなく、「積極的なケア」が必要なサインなのです。
特に、緩んだ骨盤をそのままにしたり、ダメージを受けた骨盤底筋や引き伸ばされた腹筋を放置したりすると、将来的な体型崩れ（ぽっこりお腹）や、腰痛、尿漏れの悪化に繋がる可能性が非常に高いのです。
育児に追われ、ご自身のことは後回しになりがちな時期であることは重々承知しています。 しかし、ママが元気で笑顔でいることこそが、ご家族にとって一番の幸せです。 これからの長い育児を元気に乗り切るため、そして一人の女性として再び輝くために、ご自身の身体を大切に「立て直す」時間を作ってあげませんか？
お勧めのトレーニングについて
「締める」と「整える」。産後ケアで最優先すべき2つの運動
産後の身体は非常にデリケートです。一般的なダイエットのように、いきなりハードな腹筋運動やランニングを始めるのは絶対に禁物です。ダメージを受けた身体に、さらに追い打ちをかけることになりかねません。
産後ケア（※産後1ヶ月検診などで医師の運動許可が出てから）で、まず最初に取り組むべきは、2つの「インナーマッスル」の回復です。
1つ目は、「骨盤底筋群」を「締める」感覚を取り戻すことです。 骨盤底筋は、内臓を支え、排泄をコントロールする重要な筋肉です。 仰向けに寝て膝を立て、リラックスします。そこから、息をゆっくり吐きながら、膣や肛門をきゅっと締める（尿やガスを我慢するような感覚）練習をします。締めたまま5秒キープし、ゆっくり緩める。これを繰り返します。 非常に地味ですが、産後ケアで最も重要な運動の一つです。
2つ目は、「腹横筋」を「使う」感覚を思い出すことです。 腹横筋は、お腹周りをコルセットのように包むインナーマッスルです。妊娠で引き伸ばされたこの筋肉を再活性化させることが、ぽっこりお腹の解消と腰痛予防の鍵です。 仰向けに寝て膝を立てます（骨盤底筋の練習と同じ体勢）。息を「ハーッ」と長く吐き切りながら、おへそを背骨の方向にゆっくりと引き込み、お腹を薄くしていきます。 これも、腰を反らさずに行うことが重要です。
まずはこの2つ。 「骨盤底筋を締める」「お腹を薄くする」。 この感覚が戻ってきたら、徐々に股関節周りのストレッチや、お尻・背中の軽いトレーニングへと移行していきます。
私たちパーソナルトレーナーは、産後のデリケートな身体の状態を深く理解し、一人ひとりの回復度合いに合わせて、絶対に無理のない、最も安全で効果的なケアプログラムをご提供します。 ご自身の身体と向き合う、その大切な時間を私たちが全力でサポートします。
