運動神経・バランス回復について
「運動神経」は取り戻せる。身体の“サビ”を落とす、大人のトレーニング
「昔はスポーツが得意だったのに、今では身体が思うように動かない」「人混みで、とっさに人を避けようとしたらよろけてしまった」 そんな時、「運動神経が鈍ったな」と感じるのではないでしょうか。
一般的に「運動神経」と呼ばれるものは、実は「神経」そのものの良し悪しではありません。それは、脳からの「こう動け」という指令を、筋肉がどれだけスムーズに、正確に、そして素早く実行できるかという「連携能力」のことです。
この連携能力は、使わなければどんどん“サビ”ついてしまいます。 日常生活の動作は、ある程度パターン化されています。いつも同じ道を通り、同じ階段を上り、同じように座る。こうした決まった動きだけを繰り返していると、脳と筋肉を結ぶ神経回路のうち、使われる回路だけが残り、使われない回路はどんどん反応が鈍くなっていくのです。
これが「身体が思うように動かない」という感覚の正体です。
特に、急な動きに対応したり、不安定な場所で体勢を立て直したりする「バランス能力」は、この連携が非常に重要です。
しかし、朗報があります。この神経回路は、何歳からでも「再教育」が可能です。 使われなくなっていた回路に、もう一度刺激を与え、呼び覚ましてあげるのです。
運動神経やバランスを回復させることは、スポーツのためだけではありません。 人混みでのとっさの回避、雨の日の滑りやすい路面での歩行、満員電車での安定した立ち姿など、日常生活のあらゆる場面での「安全性」と「快適さ」に直結します。
眠っている身体のポテンシャルを呼び覚まし、もっと自由自在に動ける喜びを取り戻しませんか?

お勧めのトレーニングについて
脳と筋肉を繋ぎ直す。「コーディネーション」トレーニングのすすめ
運動神経やバランス能力を回復させる鍵は、単なる筋トレではなく、「コーディネーション(協応性)」を高めるトレーニングにあります。これは、脳と身体の連携をスムーズにするための訓練です。
難しく考える必要はありません。普段やらないような「ちょっと不慣れな動き」を取り入れることが、脳への最適な刺激となります。
ご自宅で簡単に行えるおすすめのトレーニングを2つご紹介します。
1つ目は、「クロス・クロール(対角線タッチ)」です。 立った状態で、右手の肘と、左足の膝を、おへその前でタッチさせます。次に、左手の肘と右足の膝をタッチ。これをリズミカルに繰り返します。 一見簡単そうですが、身体の「対角線」を意識して動かすことは、左右の脳を連携させる非常に優れたトレーニングになります。ふらつく場合は、壁に手をついて行っても構いません。
2つ目は、「前後開脚ステップ」です。 まず、右足を前に、左足を後ろに開いて立ちます(前後に小さく開く程度でOKです)。そこから、軽くジャンプして、瞬時(あるいはワンステップ挟んで)に左右の足を入れ替えます。これをテンポよく繰り返します。 これは「リズム能力」や「反応能力」を養います。ジャンプが難しい場合は、その場で足踏みをしながら、合図(手拍子など)に合わせて素早く足を入れ替える練習から始めましょう。
これらのトレーニングは、筋肉を大きくすることだけが目的ではありません。 「頭で考えた通りに、身体を正確に動かす」練習です。
私たちパーソナルトレーナーは、単に筋肉を鍛えるだけでなく、お客様の身体の「使い方」や「連携」にも注目しています。安全な環境で、少しずつ新しい刺激を加えることで、身体は驚くほど素直に反応し、失われた感覚を取り戻していきます。その変化を実感する喜びを、ぜひご一緒に。