腰痛対策について
その腰痛、諦めないで。痛みの「本当の原因」を見つけるヒント
日本人の多くが悩まされている「腰痛」。もはや国民病とも言えるこの痛みと、長年付き合っている方も多いのではないでしょうか。
マッサージに行けばその場は楽になるけれど、またすぐにぶり返してしまう…。 その理由は、腰痛の「本当の原因」が、必ずしも「腰」そのものにあるとは限らないからです。
実は、腰痛の多くは「他の場所」の不具合を、腰が懸命にカバーした結果として発生しています。 例えば、デスクワークで長時間座りっぱなしだと、股関節周りの筋肉（特にお尻や太ももの付け根）はガチガチに硬くなります。本来、歩いたり立ち上がったりする時に大きく動くべき「股関節」が動かなくなると、その動きを補うために「腰（腰椎）」が過剰に動かざるを得ません。
腰椎は本来、それほど大きく動くようには設計されていません。無理な動きを強いられ続けた結果、筋肉が疲弊し、炎症を起こし、痛みとしてSOSを発するのです。
この場合、いくら腰を揉んでも、原因である「股関節の硬さ」が改善されなければ、腰痛は根本的には解決しません。
他にも、猫背のような「不良姿勢」が原因の場合もあります。 背中が丸まると、重い頭を支えるために、背中から腰にかけての筋肉が常に緊張状態になります。この持続的な緊張が、血流を悪化させ、痛みを引き起こします。
あなたの腰痛は、もしかしたら股関節の硬さ、あるいは背骨の歪み、もしかしたら足首の不安定さが原因かもしれません。 痛む場所だけにとらわれず、身体全体の「動きの連鎖」を見直すこと。それこそが、慢性的な腰痛から解放されるための最短ルートなのです。
お勧めのトレーニングについて
「鍛える」前に「整える」。腰痛対策の鍵は「股関節」と「体幹」
腰痛対策として、いきなり「腹筋」「背筋」を鍛えようとするのは、時として逆効果になることもあり、注意が必要です。痛みの原因が解消されていないまま負荷をかけると、かえって腰を痛めてしまう危険性があります。
私たちトレーナーが腰痛対策でまず重視するのは、「鍛える」ことの前に「整える」ことです。 特に重要なのが、前章でも触れた「股関節」の柔軟性を取り戻すこと、そして腰を守る天然のコルセットである「体幹」を安定させることです。
ご自宅でできるおすすめのケアとトレーニングを2つご紹介します。
1つ目は、「お尻のストレッチ」です。 椅子に浅すぎず深すぎず座り、片方の足首を、反対側の膝の上に乗せます。いわゆる「あぐら」のような形です。その体勢から、背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと上体を前に倒していきます。お尻の筋肉が心地よく伸びるのを感じたら、そこで20〜30秒キープしましょう。 硬くなったお尻をほぐし、股関節の動きをスムーズにします。
2つ目は、「デッドバグ（死んだ虫のポーズ）」です。 仰向けに寝て、両膝を90度に曲げて持ち上げます（股関節と膝が90度）。両腕は天井に向かって伸ばします。 その体勢から、例えば「右腕を万歳するように頭上に伸ばし、同時に左足をまっすぐ伸ばす」というように、対角線の手足をゆっくりと動かします。この時、腰が床から浮かないように、お腹に軽く力を入れておくことが最重要ポイントです。 腰に負担をかけずに、体幹の「安定性」を高める非常に優れたトレーニングです。
まずは「整える」こと。そして、安全な方法で「安定させる」こと。 私たちは、皆様の腰痛の根本原因を探り、痛みのない快適な身体を取り戻すための「正しい動き」を、マンツーマンで丁寧にご指導いたします。
