代謝アップについて
昔と同じ食事なのに太る? その原因、「基礎代謝」かもしれません
「食べる量は変わっていないのに、なぜか体重が増えてきた」 「若い頃は、少し食事を抜けばすぐに体重が戻ったのに、今は全く痩せない」 「手足がいつも冷たく、体温が低い気がする」
こうした変化を感じているなら、それは「基礎代謝」が低下しているサインかもしれません。
「代謝」とは、私たちが生きていくために消費するエネルギーのことです。 そして「基礎代謝」とは、心臓を動かす、呼吸をする、体温を保つなど、私たちが何もせずじっとしていても、生命維持のために消費される最小限のエネルギーを指します。
実は、私たちが1日に消費する総エネルギーのうち、この「基礎代謝」が占める割合は、なんと約60〜70%にも及びます。 運動で消費するエネルギー(約20〜30%)よりも、はるかに大きいのです。
つまり、この「基礎代謝」が高いか低いかが、「痩せやすい身体」か「太りやすい身体」かを決める最大の要因と言えます。
そして残念ながら、基礎代謝は10代後半をピークに、年齢とともに自然と低下していきます。 その最大の原因は「筋肉量の減少」です。 基礎代謝の内訳を見ると、エネルギーを最も多く消費している場所こそが「筋肉」なのです。
年齢を重ね、運動不足が続くと筋肉は減っていきます。 筋肉という「カロリー消費工場」が小さくなっていくのですから、若い頃と同じ量を食べていれば、エネルギーが余って脂肪として蓄積されていくのは当然のことなのです。
しかし、諦める必要はありません。 筋肉量は、年齢に関係なく、トレーニングによって増やすことができます。 基礎代謝を再び高め、「燃費の悪い(=太りにくい)」身体を取り戻すことは、いつからでも可能なのです。

お勧めのトレーニングについて
代謝を上げる最短ルートは「筋トレ」。眠った筋肉を目覚めさせよう
基礎代謝を上げる、すなわち「痩せやすい身体」を作るために、ウォーキングなどの有酸素運動と「筋トレ」のどちらが効果的だと思いますか?
もちろん、有酸素運動は運動中の脂肪燃焼に効果的です。 しかし、基礎代謝そのものを「底上げ」する力は、筋トレに軍配が上がります。
なぜなら、筋トレは「筋肉量」そのものを増やし、カロリー消費工場を大きくする行為だからです。 筋肉が増えれば、あなたが寝ている間も、テレビを見ている間も、身体が消費してくれるカロリー量が増えるのです。
では、効率よく代謝を上げるためには、どこの筋肉を鍛えるべきでしょうか。 答えは、前にも触れましたが「大きな筋肉」です。
1位:下半身(お尻、太もも) 2位:背中(広背筋、脊柱起立筋) 3位:胸(大胸筋)
この「BIG3」と呼ばれる大きな筋肉群を鍛えることが、代謝アップの最短ルートです。 お腹を割るために腹筋を100回やるよりも、正しいフォームでスクワットを15回やる方が、代謝アップへの貢献度は遥かに高いのです。
特におすすめしたいのは、やはり「スクワット」です。 下半身全体を一度に鍛えられるだけでなく、重い下半身を支えるために体幹(お腹や背中)も自然と使われます。
そして「背中」のトレーニング。 ご自宅では「タオル・プルダウン」などがおすすめです。タオルの両端を持ち、頭上に掲げます。そこから、タオルを左右に引っ張りながら、肩甲骨を寄せるようにして首の後ろに下ろしてきます。 背中の筋肉を意識的に使うことで、褐色脂肪細胞(脂肪を燃やす細胞)も刺激され、さらなる代謝アップが期待できます。
私たちパーソナルトレーナーは、皆様の体力を見極めながら、この「BIG3」を中心に、最も効率よく筋肉量を増やし、基礎代謝を高めるプログラムを設計します。 眠っている筋肉を目覚めさせ、燃えやすい身体を手に入れましょう。